旅する英文学 : 中世・初期近代における移動のナラティヴ
松田隆美 編集 / 知泉書館 / 2026-09-07発売予定
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内容
「どんな物語も,旅の物語である」――歴史家ミシェル・ド・セルトーが評したように,物語には本質的に「旅」が組み込まれている。本書は,既存のジャンルにとらわれず,13~17世紀のイギリスで生み出された多様な作品を「旅のナラティヴ」として読み解く共同研究の成果である。印刷メディア革命や宗教改革,さらには世界の地理的拡大によって社会が大きく変化した時代に,旅はどのように語られ,いかなる役割を担ったのか。巡礼記や空想旅行記,十字軍戦記に騎士道ロマンス,さらにはチョーサーやミルトンをも横断しつつ,その豊かな展開を描き出す。序論で,近代以前の作品を分析する理論的視座を示した上で,第Ⅰ部「旅のフィクションに見える葛藤」では,旅を異文化との出会いとして捉え,他者との接触がもたらす価値観の揺らぎとアイデンティティの形成を論じる。第Ⅱ部「旅行記の知的ひろがり」では,宗教的探究から地理や自然への関心,蒐集文化,知的想像力に至るまで,旅の記録が広げた知の世界を探る。第Ⅲ部「新たな旅ナラティヴの可能性」は,殉教者の書簡や『失楽園』など従来は旅行文学に属さなかった作品を読み直すことで,新たな読解の可能性を展望する。さらに,各章共通のキーワードを集めた用語解説を付ける。旅の経験に刻まれた思索の軌跡をひもとき,人々が世界をいかに捉えたかに迫る本書は,英文学という枠を超え,社会史や精神史にも射程を伸ばす,刺激に満ちた一冊。デジタル革命が世界をつなぐ今日,新たな旅が始まる。
書誌情報
- 書名
- 旅する英文学 : 中世・初期近代における移動のナラティヴ
- よみ
- タビスルエイブンガク : チュウセイ ショキキンダイニオケルイドウノナラティヴ
- 著者
- 松田隆美 編集
- 出版社
- 知泉書館
- 発売日
- 2026-09-07(予定)
- 価格
- 5400円
- 判型
- 菊
- ページ
- 336p
- 分類
- 文学総記
- 対象
- 専門
- ISBN
- 9784862854667
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